AIで、映画を作りはじめました
ROGUE PINKの映像制作、最初の作品づくりが動き出しました。AIの映像生成を使った映画です。
数ヶ月かけて、1ショットずつ納得できる品質まで作り込んでいく予定です。急ぎません。脚本、キャラクターデザイン、絵コンテ、映像生成——工程ごとに専門の役割を立てて、小さな「制作会社」のような体制で進めています。
物語の中身は、まだ秘密です。ジャンルだけ言うと「静かな終末もの」。派手な爆発から始まらない、日常と地続きの物語を目指しています。
JOURNAL
AIの映像生成を使った映画を、数ヶ月かけて作っています。 できあがっていく過程を、ここに残していきます。
映画祭に出した版(2026年9月)
ROGUE PINKの映像制作、最初の作品づくりが動き出しました。AIの映像生成を使った映画です。
数ヶ月かけて、1ショットずつ納得できる品質まで作り込んでいく予定です。急ぎません。脚本、キャラクターデザイン、絵コンテ、映像生成——工程ごとに専門の役割を立てて、小さな「制作会社」のような体制で進めています。
物語の中身は、まだ秘密です。ジャンルだけ言うと「静かな終末もの」。派手な爆発から始まらない、日常と地続きの物語を目指しています。
映画の中でいちばん難しいカットを、8秒だけ作りました。この8秒にたどり着くまでに、元になる絵を20回書き直しています。
できあがった映像が、ちゃんと動いているかを確かめる作業に入りました。AIが作る映像は、途中で世界の形が変わってしまうことがあります。建物の位置がずれたり、人が急に振り向いたり、地面の草が別のものになったり。だから必ず、1コマずつ確かめます。
このときは、遠くの山の位置を測って調べました。数字を並べてみると、3秒のところで動きが止まっていました。失敗だ、と判断しました。作り直しだと思いました。
でも、間違っていたのは測り方のほうでした。止まっていたのは遠くの山だけで、手前は最後まで動き続けていたのです。絵を切り出して横に並べたら、一目で分かりました。ひとつの物差しだけを見て、全体を決めてしまっていました。
AIを使うと、作るのは速くなります。8秒の映像が数分でできあがります。でも、できたものを見て「これでいいのか」を決める時間は、少しも速くなりません。むしろ増えました。この作品では、そこを削らないことにしています。
いま、映画祭に出す作品を作っています。Higgsfield——AIで映像を作るサービスが開いている映画祭で、締切は9月14日。終盤に差し掛かっているところです。
出すのは、3分半の短い映画です。いま作っている本編の、いちばん頭の部分を、一本の短編に仕上げています。
ただ、そこだけ切り出してそのまま出す、という作り方はしていません。頭の部分の仕事は「この先が見たい」と思わせることで、短編の仕事は「これで終わっている」と思わせることです。逆でした。同じ素材でも、順番も、長さも、音の消し方も、全部決め直しています。
規定で、映像は応募が始まったあとに作り直したものしか使えません。それまでに作ってあった分は、参考として渡すことはできますが、そのままは使えない。だから今、一から作り直しています。
締切のある作り方は、これまでとちがいます。納得するまで待つ、ができません。9月14日に手が止まって、その日までにできたものが、そのまま出るものになります。
映画祭に、作品を出しました。9月12日です。4分ほどの短い映画で、YouTube でも観られるようにしました。
出し終えてから、はっきりしたことがあります。壁が、いくつもありました。作っている間は目の前の1カットしか見えていませんでしたが、通して見ると、どこで引っかかっていたのかが分かります。
ひとつめは、声です。AIに声を出してもらうのは、思っていたよりずっと難しい。声そのものは作れます。でも、口の動きと声が合いません。ほんの少しずれるだけで、別の人が喋っているように見えてしまいます。今回は、声を入れるのをやめました。曲だけを乗せています。
ふたつめは、実写で作ることです。人の顔は、本物に近づけるほど、わずかなずれが「別人」に見えます。絵なら許されるずれが、実写だと許されない。同じ人を出し続けるというだけのことに、何度も作り直しが要ります。
みっつめは、カットを繋ぐことです。1本ずつ見れば、どれも悪くありません。ところが並べた途端に繋がらない。さっきまで暗かった部屋が明るくなっていたり、持っていたものが消えていたり。1本を作る難しさと、何十本を並べる難しさは、まったく別のものでした。
そしていま、実写で作るか、イラスト調で作るかを、すごく迷っている段階です。実写のほうが、この話には合っています。日常と地続きの怖さを出したいからです。でも、さっきの3つの壁は、どれも実写のほうが高い。イラストにすれば、かなり楽になります。そして、楽になったぶん何かを失うことも、分かっています。